2025年6月発表の総務省情報通信政策研究所の最新調査によると、この1年間でさらに60代のネットの平均利用時間が伸びています。60代の平日のネット平均利用時間は前年より17.6分増加、直近2年間で28分以上の増加が見られます。
進化する令和シニアのスマートライフ
前回は、60代を中心とした令和シニアが、ニュースや検索やオンラインショッピングなどを通じてデジタル生活者へと変化している姿を分析しました。今回はその続編として、アプリ利用における行動や特徴についてご紹介します。
60代が、検索や買い物、決済などもWebサイトやアプリで当たり前にこなす“デジタル生活者”に変化しつつある今、彼らが日常的にアクセスしているWebサイトやアプリは、どのようなものが中心となっているのでしょうか?また、その使い方は他の年代とどのように異なるのでしょうか?
節約志向で、消費に慎重——そんな従来のシニア像は、いま大きく変化してきています。特に60代前半は、可処分“時間”と“所得・貯蓄”を兼ね備え、デジタルメディアやサービスを積極的に活用する「スマートライフ」層へと進化しています。
Hakuhodo DY ONEの「令和シニア研究所」が2024年8月におこなった調査によると、60代は他の年代に比べて新たなことに挑戦する意欲が極めて高いことが分かりました。「最近新しくはじめたことがある」と回答した割合は、60代では約40%に達し、全年代でトップとなっています。
これまでのシリーズでは、令和シニアのスマートフォンやタブレットをはじめとしたデジタルデバイスの利用率動向や、SNS・動画配信を中心としたデジタルメディアの利用時間の伸長に触れてきました。今回は、生活者の購買行動に直結する「検索サイト」のトレンドを調べてみました。
第1回で取り上げた「70代までのスマートフォン保有率増加」「インターネット平均利用時間の伸長」「YouTubeや検索エンジン、ニュースメディア利用率の高さ」を踏まえ、ここでは定性調査のなかで特に多く見られた、具体的な“1日の動線”についてレポートします。
前回は、70代までのスマートフォン保有率やインターネット利用時間の増加について紹介しましたが、背景には単なるテクノロジーの普及だけでなく、シニア層の“世代交代”があるのかもしれません。
近年、シニア層のデジタル化は急速に進んでいます。消費者庁の「令和5年版消費者白書」によれば、60代世帯のスマートフォン保有率は約9割に達し(※1)、7割弱がYouTubeを利用(※2)するなど、デジタル化はシニア層にも広がっています。








