社会人8年目にして初めて広告代理店の営業職に就いた。私の配属は公営競技業界を専門にしている部署。これまでプライベートで興味を持ったことすらなく、一切触れたことのない業界だった。
“面白い仕事”に辿り着くには
社会人8年目にして初めて広告代理店の営業職に就いた。私の配属は公営競技業界を専門にしている部署。これまでプライベートで興味を持ったことすらなく、一切触れたことのない業界だった。
初めて見たレースの正直な感想は「?」の1文字だった。レース場に行っても場内モニターに映し出された数字や記号のひとつひとつには何の説明もなく、公式サイトや出走表に至っては専門用語で埋め尽くされており、まるで古文書だった。そしていざレースが始まると、解説の話は右から左に抜けていく始末。これから向き合っていくコンテンツなのに「何が分からないのかも分からない」「何を質問すればいいのかも分からない」状態だった。
「お客さんは何を見ていて、何を楽しんでいるのか」が分からなければ、代理店として何をすべきなのかも見えてこない。私はとりあえずネットで日々のレースのライブ配信を見まくり、調べるところからスタートした。そうしてやっていくうちに、初期の疑問が少しずつ晴れていき、公営競技の魅力を自分なりに理解し、なんとなく“面白がれる”ようになってきた。
しかし、私の勉強はまだまだ甘かった。昨今はネット環境さえあればほしい情報にすぐに辿り着ける世の中だ。公営競技のような専門的な分野であれば確かに便利だが、それは裏を返せば「欲しいと思った情報にしか辿り着けない」ということでもある。入社後しばらくして、“分かったつもり”になってしまっていた私は上司から指導を受け、恥ずかしながらハッとさせられた。新卒の頃を思い出して気持ちを改め、取引先に足を運んで対面でコミュニケーションをしたり、選手の方々やお客さんのリアルな現場を見た結果、私はデスクの上では気が付かなかった発見や新しい疑問に出会うことができた。
そうやって足で情報を掴むうちに、仕事や公営競技へ興味が“面白がる”から“面白い”感覚にようやく変わり始めるのを実感した。そして自ら面白いと思えるからこそ、どんな広告なら効果があるのか、どんな企画をお客さんが求めているのか、やっと考えるスタートラインが見えてきたのである。
転職して間もなく1年が経とうとしているが、当然まだまだ勉強することばかりである。なんでも調べれば分かる便利な環境だからこそ、調べただけで慢心せずに実際に足を運び、人と話し、自分の目で見て体験することを続けていきたい。そして、“面白い”に辿り着けるように、これからも仕事に向き合っていきたいと思う。









