2012年読売広告社入社。入社4年目まではストプラに在籍。
それ以降はプランナーとしてプロモーション、クリエイティブに従事。
現在の目標は、いつか京都に本屋を開くこと。
私は「つくる」仕事がしたくて、広告会社に入った。「つくる」ことは没頭できてすごく楽しいし、つくったものが届けられた時は、自分の「これがいい」と信じてつくったもので誰かと繋がれるような気がして、その感覚も好きだ。
自分でつくるワクワクを、手放さないために。
私は「つくる」仕事がしたくて、広告会社に入った。「つくる」ことは没頭できてすごく楽しいし、つくったものが届けられた時は、自分の「これがいい」と信じてつくったもので誰かと繋がれるような気がして、その感覚も好きだ。だから、それがたとえクライアントワークだとしても「信じられるものをつくる」ことは、楽しく仕事をするために、自分にとって必要なことだと思う。
でも最近、私はそんな「つくる」ができていない気がする。やるべきことに逃げて「つくる」に向き合えていないような、他の誰かと比べて自分の「つくる」をまっとうできていないような。なにより広告業界は「つくる」の回転が速く、時々、自分はこれをちゃんと信じられているのか、おなかの底から分からないようなこともある。なので今日は、そんな状態からちょっと抜け出して、立ち止まる時間をくれた本を3冊紹介したい。
① 自分の心の声を聞くための本|山若将也『いそがない冒険』(キツネ出版)

回転の速い都市生活の中で、いかに「遅く」生きるかを実践する山若さん。もともとバリバリ働く編集者だったが、体調を崩したことがきっかけで「遅くならざるを得ない自分」と向き合うことになる。この本を読んで「速く生きる」ことは、本当はそこにあったはずの自分の気持ちに気づかず生きることで、ともすれば、自分のものではない価値観に合わせて行動することをなんとも思わなくなるということなのかも、と思った。自分に対するアンテナが弱ってしまい、信じられることではなく“正解”を探すようになる。「遅く生きる」ことはただスピードを緩めることではない。そこで心の声を聞くことだ。「遅い歩行」「遅い創作」など、ここで紹介されていることを実践したら、それまでよりも自分が分かるようになるのかもしれない。
②「つくる」にワクワクを詰め込むための本|香山哲『香山哲のプロジェクト発酵記』(ebookjapan)

漫画家の香山哲さんによる、漫画を描く前の準備のことを描いた漫画。驚くほど丁寧な時間をかけた準備の様子が描かれていて、読んだ時は「とてもマネできない!」と思った。でも同時に熱烈にマネしてみたいとも思った。ここまで自分に対する解像度を上げた時に、いったいどんなものがつくれるのか試してみたい、という気持ちになったのだ。好きなもの、今考えていることを「つくる」に盛り込むためだけじゃない。ストレスに感じることやスケジュール上抱えておきたくない不安など、ネガティブな要素を廃することにも目を向けている。広告業界で働いているとそんなことはデフォルトすぎて、気にしていられない!と言いたくなるが、でも、本来自分というものも、チームのみんなのことも、それくらい丁寧に扱うべきではないかと思えてくる。「つくる」のワクワクは、自然発生するものではなく、自ら生み出すものなのだと気づかされる。
③ 信じられるところにたどり着くための本|小林孝亘『ふつうの暮らし、あたりまえの絵 小林孝亘の制作ノート』(求龍堂)

画家の小林孝亘さんの絵、生活、旅に関するエッセイ。そのときにどう思ったか、が飾ることのないシンプルな文章で綴られている。小林さんの絵を描く生活には「制作ノート」というものが登場する。思ったことが何でも書いてあって、一番の特長は、その日描いた絵について「左端の木、半トーンあげる」とか「そうそう」など感想が書かれているのだ。広告の企画や制作の仕事も、コツコツと続いていく。小林さんのように、その日たどり着いたところまでを振り返る時間を持ったら、つくっているものへの違和感がだんだん減っていって、最後には「そうそう」と信じられるところまでたどり着けるんじゃないか。そう思ってやってみたことがあるが、なかなか続かない笑。「自分とちゃんと話す時間をもつこと」は、とてもシンプルだけど、とても難しい。けれどきっと、すべての「つくる」はそこから始まる。3冊の本はそのことを私に教えてくれた。









