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榮枝 洋文

榮枝 洋文

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表

海外現地法人のマネジメント歴18年(中国・広州/香港、北米・ロサンゼルス/ニューヨーク)。アサツーディ・ケイ現地法人ADK America (WPP Group)のCFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。ニューヨークの最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

共著に『広告ビジネス次の10年』『2030年の広告ビジネス』(翔泳社)がある。

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2026年6月〜7月に開催されるFIFAワールドカップ(W杯)は史上初ずくめ。初の米国・カナダ・メキシコの3ヵ国共催、出場国が従来の32ヵ国から48ヵ国へ拡大、試合数は64試合から104試合へ増加し、開催期間も39日間に延長される、オリンピック超え規模に成長させた。

「FIFA W杯2026」スポンサー勢入れ替わりとチケットのリセール


■スポンサー収益は前大会の2倍、1.9兆円超え

2026年6月〜7月に開催されるFIFAワールドカップ(W杯)は史上初ずくめ。初の米国・カナダ・メキシコの3ヵ国共催、出場国が従来の32ヵ国から48ヵ国へ拡大、試合数は64試合から104試合へ増加し、開催期間も39日間に延長される、オリンピック超え規模に成長させた。

FIFAは2023〜2026年のスポンサー契約サイクルにおいて130億ドル(約1.9兆円)超えの収益を見込み、前回カタール大会(75億ドル)から約2倍となる見通しだ。

 日本での放映権については、2022年カタール大会ではABEMAが約200億円の放映権で全試合無料中継を実施したが、2026年大会の放映権は電通+NHK+日テレ・フジ+DAZNのチームで推定350億円は、これも前回の1.8倍規模である。

 

■日本企業はどこへ?スポンサー企業の構成に起きている変化

W杯のスポンサー構成は、かつての「日・米・欧企業中心」から「中東・中国・米国企業中心」へと完全にシフトした。

FIFAW杯2026メインスポンサー

 

1990年代から2000年代初頭にかけては、SONY、Canon、Fujifilm、JVCといった日本の代表企業がピッチサイドを独占していた。しかし、SONYが2014年に撤退して以降、日本企業の姿は消えたままだ。

 2026年W杯で最も象徴的なのは、サウジアラビアの国営石油会社「Aramco」が、FIFAの最大級スポンサーで契約した事である。Aramcoは毎年推定10億円×10年以上のFIFA最大級のスポンサー費を確定し、2034年のW杯開催地選定と強く連動した国家戦略的な先行予約をつくる戦略投資と見える。「化石燃料=気候変動」という旧来のイメージでは理解できない、AI電力として爆需要を提供する “エネルギー大国”が見える。同じく中東の「QuatarAirways」も同調の国勢だ。

 中国のLenovo(テクノロジー)やMengniuDairy(乳製品)、Hisense(家電)、などが主要スポンサーに名を連ねる。中国・中東企業の動きは、これまで欧州や日本が前提としていたスポーツマーケティングの常識とは完全に異なる「次の20年」を示している。

 

■観戦の上昇を生むチケット再販の「マーケットプレイス化」

さてW杯期間中(6〜7月)のニューヨーク首都圏は、東京五輪や世界陸上の比ではない混雑と高騰が予想される。「出張ついでに観戦しよう」などは避けたほうが良い。

 決勝戦(2025年7月19日)を含む8試合が、ニュージャージー州「メットライフ・スタジアム(収容人数約82,500人)」で開催される。NY市内のホテル価格は、通常でも高額のさらに3倍程に跳ね上がる可能性が高く、特にマンハッタンのビジネスホテルクラスならば決勝戦前後には、最低宿泊日数(3泊以上など)を含めて、宿泊費だけで100万円規模に跳ね上がる可能性もある。

 ホテルの代替として多くの旅行者が期待する「Airbnb」(民泊)も、ニューヨーク・ニュージャージー区域では2023年から「30日未満の短期賃貸」に対し極めて厳しい規制を施行しており、日割りの予約は事実上困難となっている。さらに、試合前後のライドシェア(Uber・Lyft)はダイナミック・プライシングにより通常の2〜4倍の上、真夏の会場から徒歩で遠方の場所に昇降場が設置される。

 さらに試合観戦チケットは、FIFAそのものが主体になって「二次販売」を奨励する「Resale/Exchange マーケットプレイス」を展開する。チケットを先買いした人が価格を上げて転売すれば、FIFAは「売り手から15%、買い手から15%」の合計30%を手数料収入とする。しかも再転売の価格上限は無しで、値上げ転売されるたびに儲ける仕組みだ。商品ID(チケット)+販売者ID(FIFAから登録した購入者ID)+販売サイトID(FIFA)の「三方よしのID」の厳格構造であり、違法サイトのフィッシングと区分したい。

 W杯の経済マーケティングは、2026年大会が変化させた、このような「背後」の動きを押さえておこう。

「FIFA W杯2026」スポンサー勢入れ替わりとチケットのリセール


■スポンサー収益は前大会の2倍、1.9兆円超え

2026年6月〜7月に開催されるFIFAワールドカップ(W杯)は史上初ずくめ。初の米国・カナダ・メキシコの3ヵ国共催、出場国が従来の32ヵ国から48ヵ国へ拡大、試合数は64試合から104試合へ増加し、開催期間も39日間に延長される、オリンピック超え規模に成長させた。

FIFAは2023〜2026年のスポンサー契約サイクルにおいて130億ドル(約1.9兆円)超えの収益を見込み、前回カタール大会(75億ドル)から約2倍となる見通しだ。

 日本での放映権については、2022年カタール大会ではABEMAが約200億円の放映権で全試合無料中継を実施したが、2026年大会の放映権は電通+NHK+日テレ・フジ+DAZNのチームで推定350億円は、これも前回の1.8倍規模である。

 

■日本企業はどこへ?スポンサー企業の構成に起きている変化

W杯のスポンサー構成は、かつての「日・米・欧企業中心」から「中東・中国・米国企業中心」へと完全にシフトした。

FIFAW杯2026メインスポンサー

 

1990年代から2000年代初頭にかけては、SONY、Canon、Fujifilm、JVCといった日本の代表企業がピッチサイドを独占していた。しかし、SONYが2014年に撤退して以降、日本企業の姿は消えたままだ。

 2026年W杯で最も象徴的なのは、サウジアラビアの国営石油会社「Aramco」が、FIFAの最大級スポンサーで契約した事である。Aramcoは毎年推定10億円×10年以上のFIFA最大級のスポンサー費を確定し、2034年のW杯開催地選定と強く連動した国家戦略的な先行予約をつくる戦略投資と見える。「化石燃料=気候変動」という旧来のイメージでは理解できない、AI電力として爆需要を提供する “エネルギー大国”が見える。同じく中東の「QuatarAirways」も同調の国勢だ。

 中国のLenovo(テクノロジー)やMengniuDairy(乳製品)、Hisense(家電)、などが主要スポンサーに名を連ねる。中国・中東企業の動きは、これまで欧州や日本が前提としていたスポーツマーケティングの常識とは完全に異なる「次の20年」を示している。

 

■観戦の上昇を生むチケット再販の「マーケットプレイス化」

さてW杯期間中(6〜7月)のニューヨーク首都圏は、東京五輪や世界陸上の比ではない混雑と高騰が予想される。「出張ついでに観戦しよう」などは避けたほうが良い。

 決勝戦(2025年7月19日)を含む8試合が、ニュージャージー州「メットライフ・スタジアム(収容人数約82,500人)」で開催される。NY市内のホテル価格は、通常でも高額のさらに3倍程に跳ね上がる可能性が高く、特にマンハッタンのビジネスホテルクラスならば決勝戦前後には、最低宿泊日数(3泊以上など)を含めて、宿泊費だけで100万円規模に跳ね上がる可能性もある。

 ホテルの代替として多くの旅行者が期待する「Airbnb」(民泊)も、ニューヨーク・ニュージャージー区域では2023年から「30日未満の短期賃貸」に対し極めて厳しい規制を施行しており、日割りの予約は事実上困難となっている。さらに、試合前後のライドシェア(Uber・Lyft)はダイナミック・プライシングにより通常の2〜4倍の上、真夏の会場から徒歩で遠方の場所に昇降場が設置される。

 さらに試合観戦チケットは、FIFAそのものが主体になって「二次販売」を奨励する「Resale/Exchange マーケットプレイス」を展開する。チケットを先買いした人が価格を上げて転売すれば、FIFAは「売り手から15%、買い手から15%」の合計30%を手数料収入とする。しかも再転売の価格上限は無しで、値上げ転売されるたびに儲ける仕組みだ。商品ID(チケット)+販売者ID(FIFAから登録した購入者ID)+販売サイトID(FIFA)の「三方よしのID」の厳格構造であり、違法サイトのフィッシングと区分したい。

 W杯の経済マーケティングは、2026年大会が変化させた、このような「背後」の動きを押さえておこう。

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