第10回　新しい出会いのきっかけはコミュニティ！
―シニアマーケティングにおけるコミュニティの可能性―

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人生100年時代が当たり前になりつつある2020年代においても、年を重ねるほど新しい習慣や行動をはじめたり、新しい商品を購買する機会が若者世代と比べ少なくなるのが実態です。しかしながら長く生きるほど、新しい出会いやときめき、もしくはハードルを乗り越えるための新しい商品やサービスの導入が、豊かな人生の後半戦を送るうえで重要ではないでしょうか。コミュニティがシニアにおいて新しい習慣や行動を起こすきっかけとなりうることを、２つの事例からご紹介します。

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一つめの事例は鎌倉にある玉縄台という自治体で行われているデジタル施策です。これは鎌倉リビングラボという活動の一環で、東京大学高齢社会総合研究機構、鎌倉市役所、玉縄台の自治体が一体となり、高齢化が進む住民のデジタルスキルを高める施策を行っています。具体的には定期的に自治会館で、住民同士でスマホの使い方を教えあう活動を行っています。行政や大学側は住民同士の教えあいをサポートする立ち位置で、あくまでも地域で自走するモデルを目指しています。地域コミュニティで知っている人からの方が気軽に教わることができるし、教わるだけでなく教える行動もデジタルスキルの向上においてプラスに働くという効能があります。

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二つめの事例は東京巣鴨で50歳以上の女性向け美容事業を展開しているEGAOグループです。遺影専門の写真館から事業をスタートしたのですが、きれいになりたいという顧客ニーズから、美容室、ネイルサロン、エステ等、ワンストップで女性がきれいになれる事業を展開されています。最近モデル事務所をスタートされたそうですが、驚くべきはモデルの多くがEGAOの顧客だそうです。美でつながるコミュニティを形成されていると同時に、モデルで得た収入を美容に費やすといった“EGAO経済圏”も確立されていることが特徴的です。

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新しい行動や購買習慣をつくるうえでコミュニティを活用することのメリットは二つあると考えます。一つめにコミュニティは心理的安全性が得られる環境を作りやすいという点。「みんなで試せば怖くない」という気持ちで、商品やサービス試すことができれば、新しい行動や習慣を作るよいきっかけとなりそうです。二つめにコミュニティは居場所をつくれるという点。ブランドや企業が生活者にとって居心地のよいコミュニティが作れれば、それが彼らにとって大切な居場所となり、ブランドや企業のロイヤリティにも寄与すると考えます。

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