CXソリューション本部
統合ソリューション局
第2デジタルアクティベーション部 部長
自分が世の中に送り出した広告に対しての反響に、不感症になっている作り手が多いような気がしている。私も、そのうちの1人だった。
反響への不感症
自分が世の中に送り出した広告に対しての反響に、
不感症になっている作り手が多いような気がしている。
私も、そのうちの1人だった。
私が学生の頃は、華やかな広告が多かった印象がある。
スマホを操作し、東京タワーを点灯させたり、車を動かしたり。
超巨大UFOキャッチャーが街に出現し、家族を笑顔にしたり。
非日常を提供するような大規模な話題化施策をあらゆる企業が取り組み、
今以上に広告は、生活者に笑顔や感動を与えていた印象がある。
その時代の作り手たちは、たくさんのリアクション、
体験者の生の声を聞き、反響を全身で受け止めていただろう。
そんな広告の世界に憧れて、私はこの業界に飛び込んだ。
しかし、それから十数年経ち、
私が憧れていたような広告はかなり減少した印象で、
昨今はSNSを軸としたコミュニケーションが多くなっている。
SNS施策は、生活者の顔やリアクションが見えないぶん、
反響に対してこれが成功なのか、失敗なのか、誰かをハッピーに出来たのかが分からなくなる。
勿論KPIを設定し、いいねやリポスト、コメントの数を追いかけることは出来るが、私は数字を追いかけていてもワクワクは出来ないし、
その数字にリアリティーを持てない。
その結果、SNSで行なった施策の反響に対し、何も感じられなくなる。
いわゆる反響への不感症になるのだ。
私はそこに、頭を悩ませていた。
その時、私が編み出したのが、『ドーム換算 』だ。
いいね、リポスト、コメント数をただの数字として見ず、
そのリアクションをしてくれた人数をドームに収容するとしたら、
どの規模のドームを埋めることが出来たのか想像してみることにしたのだ。
例えば「東京ドーム フェス」と画像検索をかけると、
想像以上に壮大で、大勢の人が密集している画像が出てくる。
これだけのドームを埋めるくらい、自分の実施したSNSキャンペーンは
人の心を動かしたのだとイメージがしやすくなる。
行なった施策によって、いいね数などは変動するので、
その都度、その数はどの規模感のドームに匹敵するかを調べ、
そのドームのフェス画像を検索し、
反響の規模感を可視化するようにしている。
私は今後も、SNSを軸とした施策を行う際は、
世の中の反響を「ドーム換算」で疑似体験しながら、楽しんでいきたい。
いくつもの巨大ドームを、同時に埋め尽くすような
話題化施策を生み出したいと、ワクワクしている。