広告会社は今、
何に投資しているのか

2024年度から新シリーズとして「広告会社は今、何に投資しているのか」を連載します。 広告業界は、次世代の広告ビジネスを開発すべく、さまざまな試行錯誤を行っています。本企画では、広告会社各社から発信されるニュースリリースの中から、毎回注目のアプローチを広告会社の「先行投資」として紹介するシリーズ企画です。

広告会社は今、
何に投資しているのか

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何に投資しているのか

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何に投資しているのか

広告会社は今、
何に投資しているのか

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何に投資しているのか

2024年度から新シリーズとして「広告会社は今、何に投資しているのか」を連載します。 広告業界は、次世代の広告ビジネスを開発すべく、さまざまな試行錯誤を行っています。本企画では、広告会社各社から発信されるニュースリリースの中から、毎回注目のアプローチを広告会社の「先行投資」として紹介するシリーズ企画です。

広告会社は今、
何に投資しているのか

2024年度から新シリーズとして「広告会社は今、何に投資しているのか」を連載します。 広告業界は、次世代の広告ビジネスを開発すべく、さまざまな試行錯誤を行っています。本企画では、広告会社各社から発信されるニュースリリースの中から、毎回注目のアプローチを広告会社の「先行投資」として紹介するシリーズ企画です。

広告会社は今、
何に投資しているのか

鬼木 美和

鬼木 美和

Miwa Oniki
Miwa Oniki

(株)大広 取締役執行役員/ブランディング・ディレクター

九州大学 文学部 心理学専攻を卒業後、株式会社 大広に入社。食品企業・日用品企業のAEチームで従事したのち、マーケティング局で「企業ブランディング」の専門チームを発足。以降10年間、ブランド人格の考え方をもとに、多数の企業のブランドコミュニケーションをサポート。その後も、企業意志の可視化(=企業ビジョン・ブランド開発)から、企業への期待づくり活動の推進(=企業コミュニケーション開発)、その期待に応える新たな価値づくり(=事業開発・育成)までを、統合的に手掛け続けている。著書に「ファンを集められる会社だけが知っている『ブランド人格』」(時事通信社)がある。

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前号では、マーケティングの定義が「価値交換」から「価値共創」へと刷新される中、私たち大広が展開を開始した「Deep Dialogue デザイン(以下、DDデザイン)」の概要についてご紹介させていただきました。

第12回 対話がひらく広告会社の新地平

──「Deep Dialogue」と業界進化の可能性

前号では、マーケティングの定義が「価値交換」から「価値共創」へと刷新される中、私たち大広が展開を開始した「Deep Dialogue デザイン(以下、DDデザイン)」の概要についてご紹介させていただきました。今回は、その中核を成す3つのソリューションと、それらを支えるAI活用の実際について紹介するとともに、広告業界全体における対話型マーケティングの可能性についてお伝えしたいと思います。

私たち大広は、「DDデザイン」において、まず3つの対話メソッドを開発し、展開しております。それぞれが独自の強みを持ちながら、相互に連携することで、企業・顧客・社会の価値共創を実現するものです。

最初の軸となるのが「DEEP DIALOGUE CASTING」です。これは、課題に応じて最適な対話の相手を選定・キャスティングするメソッドです。経験知見を駆使して声を聞く相手をアサインし、その声を事業開発やマーケティング改善、商品開発に活かしていきます。他社の自前主義とは異なり、広範なネットワークを活用することで、得意先に最適化されたカスタムメイドの対話を実現しております。

第2の軸が「トイノワ」です。これは、様々な立場のメンバーがフラットな関係性のコミュニティを形成し、時間をかけて深い対話を重ねていくプログラムです。仮説ありきのマーケティングリサーチとは一線を画し、問いを立て、仲間を集めて対話をする場をつくり、事業・商品の新たな価値を探索していきます。答えや手掛かりを聞き出そうとするアスキングのアプローチとは異なり、問いを投げかけながら、ひとりひとりの想いに火をつけ、熱量を持って本音で対話できる環境をつくりあげて探索していくことが特徴です。

第3の軸「Fan Dialogue」は、ロイヤルティの高い顧客との対話を通じて、真の顧客価値を発掘するソリューションです。企業側の研究者やマーケティング担当者も参加し、時に感動的な対話が生まれる――。ここで得られた知見は、短期的な投資効率だけでなく、中長期的な顧客との関係構築にも活用されます。

これら3つのメソッドを加速させる装置として、私たちは「DDデザインAI」を開発・運用しています。AIは人のリサーチ能力を拡張し、言語化された情報の分析とアウトプットを効率化します。これにより、人間はより本質的な対話と洞察に注力できるようになると考えています。

ここで重要なのは、広告会社ならではのプランニング力とクリエイティビティの活用です。私たちは長年、企業と顧客の接点を設計し、共感を生み出してきたという自負があります。その知見は、対話の場づくりにおいて極めて重要な意味を持ちます。企業の意志を引き出し、顧客との接点を見出し、社会価値へと昇華させていく──この一連のプロセスは、まさに広告会社が得意としてきた領域です。

さらに、広告会社には様々な業界の知見が集積されています。この横断的な視座は、業界の垣根を超えた対話を可能にし、新たな価値創造のチャンスを生み出します。まさに「DDデザイン」は広告会社の既存の強みを活かしながら、新しい価値共創の形を実現するアプローチ方法であり、それは単なるコミュニケーション支援を超えて、企業と顧客と社会をつなぐ新しいエコシステムの構築へとつながっていきます。そして、これからは広告業界全体が、この新しい価値共創の可能性に向けて動き出す時期に来ているのではないでしょうか。

 

 

第12回 対話がひらく広告会社の新地平

──「Deep Dialogue」と業界進化の可能性

前号では、マーケティングの定義が「価値交換」から「価値共創」へと刷新される中、私たち大広が展開を開始した「Deep Dialogue デザイン(以下、DDデザイン)」の概要についてご紹介させていただきました。今回は、その中核を成す3つのソリューションと、それらを支えるAI活用の実際について紹介するとともに、広告業界全体における対話型マーケティングの可能性についてお伝えしたいと思います。

私たち大広は、「DDデザイン」において、まず3つの対話メソッドを開発し、展開しております。それぞれが独自の強みを持ちながら、相互に連携することで、企業・顧客・社会の価値共創を実現するものです。

最初の軸となるのが「DEEP DIALOGUE CASTING」です。これは、課題に応じて最適な対話の相手を選定・キャスティングするメソッドです。経験知見を駆使して声を聞く相手をアサインし、その声を事業開発やマーケティング改善、商品開発に活かしていきます。他社の自前主義とは異なり、広範なネットワークを活用することで、得意先に最適化されたカスタムメイドの対話を実現しております。

第2の軸が「トイノワ」です。これは、様々な立場のメンバーがフラットな関係性のコミュニティを形成し、時間をかけて深い対話を重ねていくプログラムです。仮説ありきのマーケティングリサーチとは一線を画し、問いを立て、仲間を集めて対話をする場をつくり、事業・商品の新たな価値を探索していきます。答えや手掛かりを聞き出そうとするアスキングのアプローチとは異なり、問いを投げかけながら、ひとりひとりの想いに火をつけ、熱量を持って本音で対話できる環境をつくりあげて探索していくことが特徴です。

第3の軸「Fan Dialogue」は、ロイヤルティの高い顧客との対話を通じて、真の顧客価値を発掘するソリューションです。企業側の研究者やマーケティング担当者も参加し、時に感動的な対話が生まれる――。ここで得られた知見は、短期的な投資効率だけでなく、中長期的な顧客との関係構築にも活用されます。

これら3つのメソッドを加速させる装置として、私たちは「DDデザインAI」を開発・運用しています。AIは人のリサーチ能力を拡張し、言語化された情報の分析とアウトプットを効率化します。これにより、人間はより本質的な対話と洞察に注力できるようになると考えています。

ここで重要なのは、広告会社ならではのプランニング力とクリエイティビティの活用です。私たちは長年、企業と顧客の接点を設計し、共感を生み出してきたという自負があります。その知見は、対話の場づくりにおいて極めて重要な意味を持ちます。企業の意志を引き出し、顧客との接点を見出し、社会価値へと昇華させていく──この一連のプロセスは、まさに広告会社が得意としてきた領域です。

さらに、広告会社には様々な業界の知見が集積されています。この横断的な視座は、業界の垣根を超えた対話を可能にし、新たな価値創造のチャンスを生み出します。まさに「DDデザイン」は広告会社の既存の強みを活かしながら、新しい価値共創の形を実現するアプローチ方法であり、それは単なるコミュニケーション支援を超えて、企業と顧客と社会をつなぐ新しいエコシステムの構築へとつながっていきます。そして、これからは広告業界全体が、この新しい価値共創の可能性に向けて動き出す時期に来ているのではないでしょうか。