第10回
ADFEST 2025
ADFESTは、1998年にスタートしたAPACを代表する国際アワードのひとつです。Spikes AsiaやMAD STARS、ONE Asia Awardsなど、APAC地域には総合広告賞がいくつかありますが、ここではADFESTの「良いところ」についてお伝えします。
新部門 Creative Strategy Lotus
ADFESTは、他に比べると派手さがないので「少し古い広告賞」と思われがちですが、今でも毎年のように進化を続けています。2024年にはSustainable Lotusが追加され、多様な課題を持つAPACから持続可能な社会をつくるアイデアが集まりました。そして2025年には、新部門としてCreative Strategy Lotusが追加されます。
これは昨今のキャンペーンが、人の行動変革を促し、その人々の行動によってビジネスの成長や社会課題の解決をもたらす、という形になってきており、そのためには「クリエイティブな戦略」の立案がより重要になったこと。アイデアやクラフトと同じくらい戦略の良さを称えるべき、ということから設立されるものです。データの使い方やインサイトを称えるサブカテゴリーや、ブランドのレジリエンスを称えるサブカテゴリーもあり、きっと面白い部門になると思います。
ADFESTの良さのひとつは、他に比べて、日本の事例が受賞しやすいことです。後ほど述べますが、ADFESTは「現地に行く」意味がとてもあるため、ぜひストラテジストの方は応募しつつ現地参加もしてほしいと思います。
新しくなったEntertainment Lotus
2025年はEntertainment Lotusのサブカテゴリーもいくつか新しくなります。世界でも増えてきたGamingやSportsの領域がここに追加されます。日本はゲームやスポーツへの親和性が強い国だと思いますが、他の国に比べると、とくにGamingはまだコミュニティ作りやエンゲージメント強化の場として使われる機会が多くないと感じており、ぜひパワフルな良い事例を応募してもらえたらと願っています。
ラーニングセンターとしてのADFEST
ADFESTは非営利団体が運営していますが、そのポリシーは「ラーニングセンター」になることです。業界の人々が学び、つながる場所。開催中のランチは無料で、みんなで大きなテーブルを囲むので、様々な国の人たちと話しやすい。夜も無料パーティがあり、そこには審査員やセミナースピーカーもいますので、気軽に話しかけやすい。日本からの若手が参加するには実は最高なアワードともいえます。グローバルなクリエイティブに興味がある方は、ぜひ、ADFESTから参加してみてほしいと思います。