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酒川 昌寛

酒川 昌寛

株式会社 大広 海外統括局付
株式会社 大広 海外統括局付

DAIKO MEKONG COMMUNICATIONS出向


2007年 株式会社大広入社
主に大手健康食品会社のEC事業(ダイレクトマーケティング事業)に従事。

 

2014年~ DAIKO VIETNAM出向
主にFMCG系を中心とした日系企業のマーケティング戦略立案・戦術実施までの支援を行う。(マス4媒体、デジタル、OOH、イベント、SNS、EC等)

 

2017年~現在 DAIKO MEKONG COMMUNICATIONS出向
ローカル企業とのJVであるDAIKO MEKONG COMMUNICATIONS設立に従事した後、出向。
主に日系企業のベトナム進出の進出戦略・事業立案支援・マーケティング支援に従事。輸出入業務、ライセンス業務も従事。

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1975年4月30日サイゴンが陥落し、南北統一から50年という節目を迎えたベトナム社会主義共和国。終戦後は、ドイモイ政策などを掲げ、「計画経済」から「市場経済」への転換を目指し、アジアでも群を抜く高成長と安定性を示してきた。

ベトナムの未来


1975年4月30日サイゴンが陥落し、南北統一から50年という節目を迎えたベトナム社会主義共和国。終戦後は、ドイモイ政策などを掲げ、「計画経済」から「市場経済」への転換を目指し、アジアでも群を抜く高成長と安定性を示してきた。

今後のベトナム経済は2025年から2029年まで年平均成長率+5.8%のペースで高成長を維持し、GDPは2029年までに6,760億USD(約107兆円)に増加、シンガポールの6,560億USD(約104兆円)を初めて上回ると予想されている。

今回は、そんなベトナムでの「成功ポイント」と「マーケティング事情とこれからのマーケティング」を紹介したい。

【Key Success Factor】

ベトナム市場で成功するためには、単に商品やサービスをベトナムに持ち込むだけではなく、Marketing Mix視点での徹底的な「顧客理解」が必要だ。かつては日本商品というだけで、市場に受け入れられた。しかし、今のベトナムは、国産商品はもちろん、中国・韓国・米国・欧州・オセアニアなど、様々な国の企業が進出しているため、既に市場はモノで溢れている。世界各国の企業や商品が競合となる事を覚悟しなければならない。趣味趣向は、かつてフランスの植民地だったこと、また南部では米国との関係も強かったこともあり、欧米諸国の影響を強く受けている。日本商品の品質は高く評価されているが、価格面においてはマイナスな評価をされているのも事実だ。ベトナム人富裕層は欧州等のハイブランド商品を好み、一方、中間所得者層は比較的安価ながら、ある程度自分たちのニーズを満たしてくれる韓国商品などを好む傾向にある。

日系企業の成功として例をあげたいのは、Acecookだ。徹底した顧客理解の元、HaoHaoを主としたローカライズ化された商品がベトナム国民に愛され、即席麺市場No.1の地位を確固たるものとしている。

 

HaoHaoを主としたAcecookのローカライズ化された商品(*1)

                                

単に商品やサービスをベトナムに持ち込むだけではなく、「顧客」と徹底的に向き合い、「ローカライズ」の視点を忘れなければ、必ず勝機を見いだせるはずだ。

 

【マーケティング事情】

小売りでの地道なリアル顧客接点の創出(Promotion Girlが店頭立ち顧客へダイレクトアプローチをする等)、Shopeeを代表とするECモールやTikTokといったSNS等、オフラインとオンラインの戦略的活用が求められている。また2024年12月に開通した地下鉄(メトロ1号線)、2026年開港予定の新国際空港(ロンタイン国際空港)からホーチミン市内への円滑な交通手段も求められており、交通広告を取り巻く環境も大きく変わろうとしている。デジタルOOHの普及も進んでいる。より一層、カスタマージャーニーを理解した上での「オフライン」×「オンライン」のコミュニケーション設計が重要になってくる。

 

2024年12月にホーチミンに開通した地下鉄 (*2)

2026年に開港予定のロンタイン国際空港(*3)

 

【これからのマーケティング】

従来の‘ブランド認知向上’を目的としただけではなく、KGI/KPIを明確に設定、ROAS向上を目的とした出稿が大幅に増えつつある。ダイレクトマーケティング的な考え方だ。通信販売に代表される「ダイレクトマーケティング」は、今後のベトナムのデジタル広告市場でも重要なビジネスモデルになるはずだ。このビジネスモデルは顧客と直接コミュニケーションを行うことで、顧客のあらゆる反応を把握(≒測定)することができる点が最大の魅力。様々な施策を通じ、PDCAをまわす事でROASを向上させることができる。

「モノを売る」から「顧客満足」へ。ロイヤルカスタマー育成へのコミュニケーションデザインがさらに必要となってきている。

 

ベトナムは、これからも想像をはるかに超えるスピードで成長を遂げていくだろう。それと同時に、小売りやマーケティングを取り巻く環境も大きく変化していくはずだ。これらの変化はベトナム人のライフスタイルそのものを変える。そんなライフスタイルの変化を肌で感じられる事に胸躍る。

 

出典

*1 https://acecookvietnam.vn/en/product/

*2 https://www.jica.go.jp/information/press/2024/20241225_21.html

*3 https://www.vietnam.vn/ra-soat-lai-tong-the-tien-do-trien-khai-du-an-cang-hang-khong-quoc-te-long-thanh

ベトナムの未来


1975年4月30日サイゴンが陥落し、南北統一から50年という節目を迎えたベトナム社会主義共和国。終戦後は、ドイモイ政策などを掲げ、「計画経済」から「市場経済」への転換を目指し、アジアでも群を抜く高成長と安定性を示してきた。

今後のベトナム経済は2025年から2029年まで年平均成長率+5.8%のペースで高成長を維持し、GDPは2029年までに6,760億USD(約107兆円)に増加、シンガポールの6,560億USD(約104兆円)を初めて上回ると予想されている。

今回は、そんなベトナムでの「成功ポイント」と「マーケティング事情とこれからのマーケティング」を紹介したい。

【Key Success Factor】

ベトナム市場で成功するためには、単に商品やサービスをベトナムに持ち込むだけではなく、Marketing Mix視点での徹底的な「顧客理解」が必要だ。かつては日本商品というだけで、市場に受け入れられた。しかし、今のベトナムは、国産商品はもちろん、中国・韓国・米国・欧州・オセアニアなど、様々な国の企業が進出しているため、既に市場はモノで溢れている。世界各国の企業や商品が競合となる事を覚悟しなければならない。趣味趣向は、かつてフランスの植民地だったこと、また南部では米国との関係も強かったこともあり、欧米諸国の影響を強く受けている。日本商品の品質は高く評価されているが、価格面においてはマイナスな評価をされているのも事実だ。ベトナム人富裕層は欧州等のハイブランド商品を好み、一方、中間所得者層は比較的安価ながら、ある程度自分たちのニーズを満たしてくれる韓国商品などを好む傾向にある。

日系企業の成功として例をあげたいのは、Acecookだ。徹底した顧客理解の元、HaoHaoを主としたローカライズ化された商品がベトナム国民に愛され、即席麺市場No.1の地位を確固たるものとしている。

 

HaoHaoを主としたAcecookのローカライズ化された商品(*1)

                                

単に商品やサービスをベトナムに持ち込むだけではなく、「顧客」と徹底的に向き合い、「ローカライズ」の視点を忘れなければ、必ず勝機を見いだせるはずだ。

 

【マーケティング事情】

小売りでの地道なリアル顧客接点の創出(Promotion Girlが店頭立ち顧客へダイレクトアプローチをする等)、Shopeeを代表とするECモールやTikTokといったSNS等、オフラインとオンラインの戦略的活用が求められている。また2024年12月に開通した地下鉄(メトロ1号線)、2026年開港予定の新国際空港(ロンタイン国際空港)からホーチミン市内への円滑な交通手段も求められており、交通広告を取り巻く環境も大きく変わろうとしている。デジタルOOHの普及も進んでいる。より一層、カスタマージャーニーを理解した上での「オフライン」×「オンライン」のコミュニケーション設計が重要になってくる。

 

2024年12月にホーチミンに開通した地下鉄 (*2)

2026年に開港予定のロンタイン国際空港(*3)

 

【これからのマーケティング】

従来の‘ブランド認知向上’を目的としただけではなく、KGI/KPIを明確に設定、ROAS向上を目的とした出稿が大幅に増えつつある。ダイレクトマーケティング的な考え方だ。通信販売に代表される「ダイレクトマーケティング」は、今後のベトナムのデジタル広告市場でも重要なビジネスモデルになるはずだ。このビジネスモデルは顧客と直接コミュニケーションを行うことで、顧客のあらゆる反応を把握(≒測定)することができる点が最大の魅力。様々な施策を通じ、PDCAをまわす事でROASを向上させることができる。

「モノを売る」から「顧客満足」へ。ロイヤルカスタマー育成へのコミュニケーションデザインがさらに必要となってきている。

 

ベトナムは、これからも想像をはるかに超えるスピードで成長を遂げていくだろう。それと同時に、小売りやマーケティングを取り巻く環境も大きく変化していくはずだ。これらの変化はベトナム人のライフスタイルそのものを変える。そんなライフスタイルの変化を肌で感じられる事に胸躍る。

 

出典

*1 https://acecookvietnam.vn/en/product/

*2 https://www.jica.go.jp/information/press/2024/20241225_21.html

*3 https://www.vietnam.vn/ra-soat-lai-tong-the-tien-do-trien-khai-du-an-cang-hang-khong-quoc-te-long-thanh