ストラテジスト
東京、ロンドン、パリ。3つの都市で、マルチナショナル・クリエイティブエージェンシーのストラテジックプランナーとして20年ほど勤務。
異なる文化をつなぐコンサルタント。
ストラテジスト
東京、ロンドン、パリ。3つの都市で、マルチナショナル・クリエイティブエージェンシーのストラテジックプランナーとして20年ほど勤務。
異なる文化をつなぐコンサルタント。
ルーブル美術館内でストリートバスケットボール、BMX、ブレイクダンス、スケートボードをする若者。100年ぶりにパリで行われるスポーツの祭典を盛り上げるのはスタジアムだけではなく、美術館も!と言わんばかりの躍動感と力強さを表現した映像。ルーブル美術館では「オリンピズムは年齢や文化を横断し、芸術がオリンピズムにインスピレーションを与えるのと同じくらい、オリンピズムは芸術にインスピレーションを与える」を謳い文句に2024年4月から8月末までオリンピズムをテーマとした特別展示やアトリエ、ツアーなどを企画し、オリンピック気運を高めている。
例えば、「ルーブルを駆ける:Mehdi Kerkouche(振付師・ダンサー)によるスポーツ・ワークアウト・ツアー」開館前の朝8時から1時間、ディスコダンスにヨガ、ダンスホール、カーディオ(有酸素運動)をしながら展示室を巡る。プロコーチの案内で各展示室のテーマに合わせて体を動かし、30人ずつ2グループに分かれた参加者以外に誰もいない中で、通常とは全く違う角度から世界に名だたる絵画や彫像を「鑑賞」することができる。
ルーブル美術館の他には「5つの美術館を巡る謎解きゲーム」。現代オリンピックの創案者、ピエール・ド・クーベルタンが残した文書に解読が非常に難しい文章が5つ見つかっている。その文章を解読する鍵は、ポンピデゥー・センター、ルーブル、オルセイ、オランジュリー、ケ・ブランリー・ジャック・シラクの5つの美術館それぞれにあり、スポーツと文化との強い結びつきに関係している。という設定の元、5つの美術館を無料で巡れて、美術館ごとに回答者から抽選でオリンピックまたはその美術館のグッズがもらえるというイベント。スポーツとアートの関係について発見のある、家族で楽しめるものになっている。
これらは、スポーツと文化・アートの結びつきを讃えるもう一つの祭典、オリンピアード・クルチュレル(Olympiade Culturelle:文化オリンピック)の一環。パリオリンピックでは特に文化やアートをオリンピックの欠かせない構成要素として位置付けており、ルーブルやオルセイのように有名な美術館だけでなく、パリの豊富な文化シーンを形成しているミュージシャン、演劇、ダンス、写真、美術、デザインなどに関わるアーティストやグループ、団体へも積極的に参加を呼びかけている。スポーツとアートに共通する鍛錬から生まれる美しさや感動、人の力を身近に伝えることで、パリオリンピックという100年ぶりの盛大なお祭りにできるだけ多くの人が参加、スポーツに強い関心がなくてもアートを通してオリンピック精神に触れられるように目指している。4月から8月末まで、パリ及びフランス各地で数百ものイベントが予定されている。
5月8日にマルセイユに聖火が到着した時の様子を約590万人がテレビで観ていたという数字が発表された(Médiamétrie)。フランスの各地を巡る聖火リレーも始まり、期待感もだいぶ高まってきている。
<参照文献>
https://olympiade-culturelle.paris2024.org/
https://presse.louvre.fr/le-louvre-a-lheure-des-jeux/
https://www.nytimes.com/2024/05/16/world/europe/france-paris-olympics-louvre.html
https://olympiade-culturelle.paris2024.org/evenement/cinq-musees-en-jeux-a7f2o00000007ZQAAY
https://www.leparisien.fr/jo-paris-2024/