Chief DigitalOfficer (CDO)
HakuhodoInternational Vietnam
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ベトナムの経済は成長率が鈍化していると言われつつも、毎年5%を超える成長を続けています(※1)。また経済成長を上回るペースでベトナムのEC市場は急成長しており、その市場規模は2022年に140億米ドルに達し、2025年までに320億米ドルに拡大するそうです(※2)。
私はホーチミンで生活しているのですが、ECプラットフォームのShopeeやLazadaの荷物を運ぶトラックやバイクを見かけることは多く、オフィスビルの1階でドライバーから直接荷物を受け取るオフィスワーカーの姿を見ることは日常の風景の一つになっています。
そんな急成長するベトナムのEC市場における変化について今日は紹介します。
ベトナムのEC市場でECプラットフォームの顔ぶれが変わりつつあります。これまでベトナムにおけるECプラットフォームの2強として君臨していたShopeeとLazadaの間にTikTokが入ってきたのです。2023年の2QのマーケットシェアでTikTokがLazadaを抜き2位の座に立ちました(※3)。
皆様もすでにご存じの通り、TikTokは動画を中心とした情報共有とエンターテインメントのプラットフォームです。TikTokは上記の機能にショッピング機能を追加しました。(日本ではまだ未搭載の機能になります)
TikTokが行った調査によると、ECとエンターテインメントを掛け合わせた「ショッパーテインメント」においてブランドが成功するために、
「Intuitive Decision(衝動買いではない直感的な買い物体験)」
「Effortless Browse-to-Buy(コンテンツ視聴から購入までのスムーズな購入体験)」
「Content Communities(コンテンツを通じた消費者同士のつながり)」
の3つの生活者ニーズの変化を抑えるべきとあります(※4)。
同調査によると、同じASEANの中でも買い物における意思決定には、
・タイ・ベトナム・韓国の「Social-Oriented(ソーシャルのコンテンツやインフルエンサーの影響が大きい)」
・日本・インドネシアの「Product-Oriented(商品情報や価格の影響が大きい)」
という2つの異なる傾向がみられるそうです(※5)。
ベトナムの生活者の買い物行動の特徴とTikTokの強みが合わさった結果が、TikTokの2位という結果なのかもしれません。
私たち博報堂ベトナムグループもこのようなベトナムEC市場の成長に寄与していきたいと考えています。生活者発想でのブランドや商品の「ストーリー作り」は私たちが元来得意にしている領域です。
インフルエンサーやコンテンツクリエイターと協力をしながら「商品やブランドを購入したくなるためのストーリー作り」を通じてより多くのクライアント企業とともにベトナムのEC市場の成長に貢献していきます。
※1)日本貿易振興機構. "2023年GDP成長率は5.05%と政府目標に届かずも、第4四半期は6.72%と加速(ベトナム)".2024-1-11
(2024-3-15参照)
※2)Binh Truong. "Vietnam E-Commerce:Stable in Face of Global Slowdown". Vietnam Briefing. 2023-3-1
(2024-3-15参照)
(2024-3-15参照)
※4・5)TikTok. "Shoppertainment 2024:The Future of Consumer & Commerce Here in APAC". 2024
(2024-3-15参照)