WORLD REPORT
WORLD REPORT
WORLD REPORT
WORLD REPORT
WORLD REPORT
WORLD REPORT
WORLD REPORT
クリケットW杯とメディア視聴の変化
インドが熱狂するスポーツ、クリケット
2011 年以来12年ぶりにインドで開催されたクリケットのワールドカップは約1ヶ月半にわたってインド国内の話題の中心だった。試合の日は大型ビジョンがモールやアパートに設置され、夜中でも近所から歓声が上がる国民的スポーツは累計観客数125万人超を記録し熱狂の内に幕を閉じた。クリケットワールドカップに関する国内の経済効果は2,200億ルピー(約3,900億円)とも言われており、観光客の宿泊やフライト、チケット販売もさることながら、中でも放映権とスポンサーシップの金額が最も大きな割合を占めた。
デジタルプラットフォームへのスポンサー増
企業のマーケティング活用手段としても非常に価値が高いと捉えられている同大会は、スポンサーの数も業界内では注目されていた。大会の公式放送局であるディズニー・スターは、テレビおよびデジタルのプラットフォームで 26 ブランドとのスポンサー契約締結を発表。スポンサーはテレビとデジタルの両方のまたはどちらかの媒体のみを選択出来る方式だ。現地メディアより、今回デジタルを選択したスポンサーがテレビより多かったという報道が印象的だった。ディズニー・スターが今大会の新たな取り組みとしてスマホやタブレットでの無料ストリーミングを実施し、それがデジタルプラットフォームのスポンサー増加を後押ししたのは間違いないだろう。
進化するクリケットのメディア視聴
友人や家族と一緒にテレビの前で観戦するのがこれまで一般的な観戦スタイルだったが、無料でどこでもスマホで観られることにより、更に多くの視聴者層にリーチすることが可能になった。インド対オーストラリアの決勝戦では、スポーツライブイベントとしては最多となるデジタルプラットフォーム上において5,900 万人の同時視聴者数を記録。インドでのスポーツにおけるメディア視聴の変化を象徴する大会となった。ストリーミングのみならずソーシャルメディア上でもクリケットワールドカップのコンテンツは大量に消費され、視聴者は練習の様子をYouTubeで確認し、選手のダンスをインスタグラムで観てポッドキャストで選手の言葉を聴いたりと、様々なプラットフォーム上にて近い距離でコンテンツに触れられる体験は期間中の盛り上げを最後まで維持することに大きく寄与した。
先日のムンバイで行われたIOC総会で2028年ロサンゼルス五輪にてクリケットが128年ぶりに採用されることが決定しクリケット熱が更に高まっているインド。人口大国のこの国でスポーツコンテンツがどのように消費され、メディア視聴が進化していくのか今後も注目していきたい。
<参照記事>
https://www.cricketworldcup.com/news/3791018