昨今、急速にさまざまな分野でAIの実用化が進んでいます。私も業務においてAIツールを活用していますが、この一年くらいの間にも大きな進化を感じており、数年も経てば今自分が携わっている多くの業務がAIに代替されるのではと不安に近い気持ちを覚えることもあります。
AI時代のデジタル広告担当者として思うこと
昨今、急速にさまざまな分野でAIの実用化が進んでいます。私も業務においてAIツールを活用していますが、この一年くらいの間にも大きな進化を感じており、数年も経てば今自分が携わっている多くの業務がAIに代替されるのではと不安に近い気持ちを覚えることもあります。
そんな時代にデジタル広告担当者に求められる役割はなんでしょうか?私は「クライアントの思いや課題の理解と具体化」そしてそれを実現するための「AIとの共創」が大事になってくると思っています。
AIへの指示はテキストで行われますが、クライアントの思いは必ずしもテキスト化されているわけではありません。表情や声色など、生身のコミュニケーションを通して得た情報からクライアントの思いや、抱えている課題を理解することで、それが仕事につながったという経験をされたことのある方は多いのではないでしょうか。この経験から、非言語情報は無視することができない重要なものだということだと感じています。言語化されていない情報も含めた内容を総合的に受け止め、クライアントの思いを理解し具体化することは、今後さらに重要な役割になっていくと思います。
AIは「このサービスのこんなクリエイティブを作ってほしい」という指示を出すだけで、実用可能なクリエイティブを生成してくれます。しかし、それは既に世の中に存在する他のクリエイティブを機械的に学習して生み出されたものです。広告のクリエイティブは競争に勝つために常に新しいメッセージや伝え方を開拓していかなければならないものですが、それは引き続き人間の閃きや創造性が強みを発揮する領域になると思います。
AIが強みを発揮できる領域はAIに任せ、人間は人間が強みを発揮できる領域に集中することで総合的なアウトプットの質を上げていくことが重要になっていくと思っています。
「クライアントの思いの理解と具体化」においても「AIとの共創」においても、コミュニケーションは全ての基礎だと思っています。AIにはできない生身のコミュニケーションによって言語化が難しいクライアントの思いや課題を深く理解した上で、AIとのコミュニケーションにより、AIと人間それぞれの強みを活かした質の高いアウトプットを生み出す、それが私がイメージするAI時代の広告担当者です。
大きな変化への不安を感じつつも「コミュニケーション能力」という人間として大切な能力がより求められる時代になっていくことに期待とやりがいを感じています。クライアントの思いを理解するためのコミュニケーションと、AIから自分が求める結果を引き出すためのコミュニケーション、それぞれを磨いていきたいと思っています。