統合プランニング局クリエーティブ・イノベーション部
広告業界や広告、コミュニケーションについてJAAA 会員社の若手はどう感じているのか?
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統合プランニング局クリエーティブ・イノベーション部
この業界にいると、なんでもおもしろがることが大事、おもしろがれる人が向いてる、みたいな話をよく聞く。私はこの言葉に違和感を抱き続け、向いてない人として業界にしがみつき、はや13年目になった。根性である。
たしかに周りには、よく「おもしろい」と口にする人が多い。色々なことにおもしろいと思える気持ちは素晴らしい。おもしろセンサーが鋭く、おもしろ解像度も高い。目に映るものがおもしろとして脳内変換され、もっと知りたい、やってみたいと思う、企画にも生きる。話しっぷりもイキイキしてる。そんな人たしかに業界に向いてるに決まってる。そりゃそう。
でも、よほどのものじゃなきゃおもしろいと思えない、おもしろセンサー鈍めの人だって残念ながらいる。しかしそんな人にも強みはある、という話をここではしたい。まず、世の中の人は広告業界の人ほどおもしろ星人ではない。こんな業界にいながら世の中の人と似たような感覚を保てるのは強みと言えるはず。また、鈍いセンサーが反応した場合、それはよほどのおもしろいことと言っていいはずで、ある意味おもしろ目利きなのかもしれない。ポジティブに捉えると。
あと、みんながおもしろいと言うことをつまらなく感じるのはなぜなのかを掘り下げることも、企画のタネになるはずだ。「このなんかムカつく感じはなんなんだろうか」と要因を探ってみるとか、「陽キャっぽくて疎外感があるからか」などインサイトに気づいてみるとか、「どうすれば自分もおもしろいと思えるものに近づくだろうか」と解決のアイデアを考えてみるとか。「おもしろくない」はこの業界においては大きな課題。課題に数多く気づけることは強みであり、イノベーションだってそんなことから生まれるものだ。と、信じたい。
「おもしろがる」への違和感は、「おもしろくないものを無理におもしろいと思おうとする」みたいなニュアンスを感じるところにもある。ブリッジのようなもので感情を人工的に矯正する、みたいなイメージだ。そんなのつらすぎないか?「おもしろくない」というありのままの、少々残念な感情だって大事にしながら、おもしろい世の中を作っていくことだってできるはず。それだって、十分おもしろいではないか。