第4回　広告における“CRMデータ”の活用について解説

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前回は変化が激しい広告業界における“運用型広告”に焦点を当てて解説しました。運用型広告は広告主が自由にターゲットやクリエイティブを設定できるため、目標やニーズに合わせて配信できることが特徴的です。今回はそんな運用型広告の世界でも注目が集まっている“CRMデータ”の活用について取り上げます。

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CRMデータとは何か？

CRM（CustomerRelationship Management）とは顧客管理システムを指し、組織内の様々な顧客情報を一元管理することができます。例えば、顧客の氏名・連絡先・年齢・問い合わせ内容・商談情報など、内容は多岐に渡ります。CRMを活用することでそれらの顧客情報を部署間でシームレスに共有をしていくことが可能となり、ビジネスのスピードアップを図ることができます。

CRMデータが注目される理由

近年、デジタル広告業界では個人情報の保護やプライバシー規制の動きが強化されており、ユーザーをトラッキングする方法として主流であるCookieに関しても制限の対象となりました。Cookieはユーザーのオンライン行動を基にした興味関心の特定や訪問履歴の記録、効果計測の面でも大きな役割を持っているため、業界に与える影響度は大きいものとなっています。

そのような状況下でCRMデータの広告への活用は注目を浴びています。CRMデータは広告主が所有する独自の顧客情報であり、Cookieの制限を受けづらいことが理由です。CRMデータは顧客の具体的な属性情報や購買履歴が紐づいている貴重な情報であり、マーケティングへの活用の重要性も上昇しています。

CRMデータの広告への活用

デジタル広告における具体的な活用方法としては、媒体へ顧客データをアップロードすることで、媒体が持つデータとマッチングした既存顧客や類似するユーザーへリーチすることができます。配信へ活用する顧客データについても自由に選択可能なため、顧客のフェーズごとに使用するデータを使い分けるなど柔軟な設定が可能となります。

顧客データの媒体への提供については安全性を問われることもありますが、基本的には暗号化の技術を用いることで顧客情報は匿名化されます。このような安全な手段を選択することで、プライバシーの保護を行いながら効果的な広告配信を実施することができます。ただし、顧客情報の慎重な取り扱いには十分配慮するべきであり、配信に携わる全員がその意識を持つ必要があります。

以上が近年注目を集めている広告配信におけるCRMデータの活用についてでした。デジタル広告の変化のスピードについては前回も解説しましたが、個人情報の保護についても規制の内容はアップデートされていきます。顧客の信頼を保ちながら効果的な広告配信を行っていくことが重要となります。